宣材の写真を撮らせていただいたり、共にアップしている画像の画集では絵の撮影を担当させて頂いたりと少なからず接点の有る素敵なスーパースター(母の年代)で、当時小さかった娘(今はアラサー)も「ガチャ子(当時の佐川さんの愛犬の名前)のおじちゃん」と懐くぐらい気さくで優しい方でした。さらに、想像を超える歌い手さんで、一度私の撮影スタジオで飾ってあった「アダマス(私物のギター)借りるよー」と言いながら「新曲聞いて~」と引き語りを初めると、お茶を入れていた私は歌われるフレーズが1つ耳に入るごとにイメージが脳に叩き込まれ、次々と入れ替わる情景に処理が追い付かず、全く動けなくなり熱湯をダラダラと床にこぼすという強烈な体験をし、本物って者を実感させていただいた御仁でもあります。
そうそう、今流行りの呪術廻戦 五条先生の領域展開「無量空処」ってきっとこれだよと、20年以上経った今でも思い出せる、強烈無比な体験でした。そんな佐川さんにお線香だけでもと妻と御自宅に訪ねたのですが、さすがにスーパースターお忙しいのか奥様にも会えず、肩を落とし帰ってきたのですが、その夜、このオオミズアオが私の所に使わされました。あの体験の日、ところで次は何を撮りたいの問いに「オオミズアオです」と答えた事を覚えてくれていたのだと思います。
妻も「佐川さんの使いだね」と同意。
そんなこんなで、佐川さんが使わせたオオミズアオだったのですが、翌日になっても網戸にたかったままで、飛び立つ気配もありません。というわけで、2度目の撮影に付き合ってもらったのですが、さらに翌日、今一度の滞在を期待しながらのぞいた場所にはさすがに居なかったのですが、なんだかただならぬ気配がするのでルーペで確認すると…
そこには卵が!
さすがは佐川さん、予想を遥かに超えてきます。この卵を孵化させて幼虫も撮れ!と。
それから2ヶ月半、よく食べる幼虫たちに翻弄され育児ノイローゼに成りかけながら、頑張りました。
あまりに素敵で、感動と驚きばかりの2ヶ月半の記録です。