羽化
2024/7/12 羽化したオスの個体です。蝶などの羽化はとても静かで神秘的なんですがオオミズアオは繭から出るところから羽を伸ばす所までの移動がとてもせっかちです。もちろん翅を伸ばす姿は神秘的。翅を伸ばす映像は2時間を20秒程に編集してあります。
雄と雌の違い
①色がかなり違う
④触角の形も違う
メスの触角

全体的に細く櫛の部分が短い
オスの触角

櫛が深く、メスの発するフェロモンを探し易くできています。
⑤オスには有ってメスには無い外観的特徴

♂
♀
②
☝
☜
②
☜
③
⑤
☞
メスはオオミズアオの名前通り水色、オスは黄緑色です。その差が正しく伝わるように撮影時も気を遣い出来る限り実物と同じ色になるように光そのものを調整し1回で撮っています。
②形も違う
メスは全体的に丸味を帯びて柔らかい印象です。オスは逆に直線的で力強い印象です。特に前翅後ろ側の②の部分はその特徴をよく表しています。
③後翅の尾の部分長さ
☜
③
メスは短く。オスは長いです。画像③の部分。
前翅の⑤の部分の筋はメスには有りません。メスにもこの辺りかなという気配はありますがメスだけを見ればまったく認識できません。
⑥腹部の大きさが違う


オスの腹部はメスと比べると少し細く短い、とはいうものの10日間生き抜くためのエネルギーを蓄えているため、しっかりとしたある程度の大きさはあります。

メスの腹部は太くて長い、沢山卵が入っているのでしょう。
よく見るとお尻の先には卵が付いています。
オオミズアオは、ヤマ繭蛾の一種なので成虫には口が無く食べることが出来ません。なのでお腹の消化器官も退化しています。
番外 成虫と幼虫の目の違い

幼虫の時には黒い部分でカモフラージュされ、よく動き回ることとも相まって確認できなかったのですが、繭の中に残っていた終齢幼虫脱皮の顔の部分を羽化後の繭から取り出し観察してやっと、片側5個ずつ計10個の単眼が確認できました。
成虫には昆虫らしく小さな目が沢山集まってできた大きな複眼が片側一つずつ2つ確認できます。この大きな目がオオミズアオの愛くるしい見た目のポイントになっています。
